意外と
「お、ネコ助ではないか!」
部屋の端にいても、聞き違えようのない大声。
晴の守護者の登場に、瓜は身構えた。
はっきり言って、彼は苦手だった。
晴の炎は嫌いじゃない。
活性化という属性を持つ彼の炎は、おやつ代わりにちろりと舐める分には、割と美味しい、けれど。
さしもの匣生物をもってしても避けようもない勢いで突進してきて、問答無用で撫で回すのはやめてもらいたい。
切実に。
ついでに、そのネコ助という呼び名もやめてもらいたい。
これまた、ものすごく切実に。
とはいえ。
いつの間にかちまっこくなった自分の主とか、大空とか雨の守護者なら、ともかく。
変わらずボンゴレ晴の守護者を前に、一介の匣生物である瓜がたちうちできるわけはなく。
諦めて、大人しく瓜は了平にその背を撫でることを許した。
炎を宿していなくても、晴の守護者の波動は、少しだけ瓜の気持ちを活性化させてくれるようだった。