「天の比翼」 2010/12/30



 獄寺隼人は、天使だ。
 天使の雛、と言った方が正しいかもしれない。
 広義では彼ら天界に属する者達は、確かに生まれた瞬間から天使と分類される存在であるが、狭義の天使とは悪魔を退治したり、下界に干渉したりすることが許されている、力ある者達を指す。
 天の理を顕現する天使となるべく、まだ幼い彼らひよっこ天使達を教え導き鍛え上げるのが、ここ天使養成所だった。
 天使の雛達にも色々いる。優秀なもの。そうでないもの。
 そして現在、養成所の落ちこぼれ三人組としてひそかに有名なのが、沢田綱吉、山本武、獄寺隼人の三人だった。
 以前から何故か十代目大天使長候補と言われているにも関わらず、全ての科目において最低成績の記録を塗り替え続けている世紀の落ちこぼれ、沢田綱吉。
 全ての金属の中でも最も聖別視される銀糸の髪に、常緑樹の緑の瞳、容姿だけなら最上級にも拘わらず反抗的な態度を崩さぬ天界の悪ガキ、獄寺隼人。
 天使の中では特別な「力」を持つとして特別視される黒髪の持ち主であり、天然すぎる性格のせいか、何故か養成所という枠組みにはまりきれなくなっている山本武。
 彼らは養成所きっての問題児であり、深い友情と信頼に結ばれた友人達でもあった。


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 背中に、硬く冷たい地面。
 足払い一つで、転がされて、腹の上に跨られては起き上がることもできない。
「どうしたら、君に分からせることができるのか、考えたんだよ」
 雲雀の手は、獄寺の左胸に置かれている。
 獄寺には感じることのできない、占有印が刻まれているという場所。
「天使を犯すより、天使に犯させる方が君の罪は重篤だと思わないかい?」
「……!?」
「君を罪に堕としてあげよう」



天使獄寺×悪魔雲雀 パラレル

前半はごくひばっぽいですが
後半はオールキャラっぽいです。

ツナさん&山本のトリオとか ボスとかスクとか