「ぼくを さがしに」 2008/10/13



 並中は、静かだった。

 並盛の秩序が守られていることは、望ましいことだった。
 けれどこの静けさが平穏とは無縁のものであることを、雲雀は知っていた。
 何が、欠けているのかを知っていた。

 騒がしいばかりの群れは、雲雀の最も嫌うものだったけれど、彼らが何かしらろくでもない馬鹿騒ぎを引き起こすのが、並中の日常であることもまた事実。

「2年A組、沢田綱吉、獄寺隼人、山本武、笹川京子。以上4名、欠席です」
 厳つい顔をした風紀委員の一人が、緊張した面持ちで報告する。
 それが、この静けさの一番の理由だった。
「なお、全員欠席の連絡は入っていないとのことです」
「四人揃って無断欠席かい。いい度胸だ」
 それは咬み殺しがいがありそうだ、と雲雀は口元に剣呑な笑みを浮かべた。
 この並盛で、雲雀の知らない何かが起こりつつあるのだ。










昨今のWJのあまりの獄ヒバっぷりに叫びたくなった
原作脳内補完SS

中学生雲雀視点です