「R-18」 2009/08/14
「さて一つおまえに聞きたいことがある、スモーキンボム」
そう言って目の前に突きつけられたのは、2枚の写真だった。
1枚には、沢田綱吉。もう1枚には山本武。
「ボンゴレ十代目は、どちらだ」
「……ん、だと?」
「お前がこの2人と常に行動をともにしていることなら、分かっている」
どういうことだ?
表情は全く変えないまま、目の前の男を睨みつけつつ、内心は疑問で一杯だった。
「我々のねらいはボンゴレ十代目だけだ。大事なオトモダチなんだろう?オトモダチを無駄死にさせたくなかったら素直に答えるんだ」
こいつら、十代目が誰かわかっていない?
そう、気付いて。
しめた、と思った。
悪い、山本。
お前には尊い犠牲になってもらおうか。
そう思うまで、おそらくコンマ0・一秒。
つまり迷うことなんて、全くなかった。
ボンゴレ十代目は、この写真の男だと告げればいい。
だが。
まてよ、と自分を押し留めた。
あまり簡単に教えてしまっては、かえって疑われるかも知れない。
仮にも十代目の右腕と名を轟かせている──と自分では思っている──獄寺隼人だ。
まだ、だ。
せめて拷問の一つや二つ、耐えてみせて。
それから力尽きて屈服したと見せかけるあたりがちょうどいい。
そう、判断する。
「はっ、馬鹿馬鹿しい。誰がお前らなんかに教えるかよ」
一番挑発的な口調と、嘲り笑い。
元々、無表情に口を噤んでいればビスクドールのように整った容姿の持ち主であるせいか、そのように他人を小馬鹿にする態度を取れば、ことさら腹を立てる者は多かった。
「この、口の減らないガキが…!」
案の定、男が血相を変えた。
さぁ、こい。
せいぜい時間を稼いで、翻弄してやろうじゃないか。
そう思いながら、獄寺は不敵に笑った。
なんかもう皆そんなもんだと諦めてくれていると信じて、
獄寺単体シーンで。
こんなんですが最終的にはいつもどおりに獄ヒバえろです。