「Memento Mori」 2008/12/29
「メメント・モリか」
施されていた髑髏の意匠の装飾に、イノチェンティが目を細めた。
「……そんな大層なもんじゃねぇよ」
獄寺は決まり悪げに視線を逸らした。
髑髏のモチーフに惹かれたのは、子供じみた自己顕示と反抗心の賜物だ。
美しく優雅なものよりも、不気味で攻撃的なものがクールでかっこいいと信じていたティーンエイジ。
「つくづく君は興味深いな」
「あんま気色悪ぃこと言うなよな、おっさん」
感嘆の台詞に、獄寺は容赦なく毒づいた。
ただかっこつけるばかりの少年は卒業しても、真実を言い当てられて素直に頷けるほど大人にもなりきれていない。
ただかっこいいと思っていた髑髏に込められた意味は、さらに獄寺をその意匠に傾倒させた。
メメント・モリ。死を想え。
己の死なら、いつだって覚悟している。
十代目のために、この命の全ていつだってなげうつ覚悟を。
死してなお、彼のことを想い続けると。
実は、SISTEMA C.A.I. がかなり好きです
……よーするに、そんな話
いちおう一瞬ひばりも出てきますが、獄ヒバというには大変憚られる
はやと単体話です