表紙;武居幸士様
「なくしたかけら」 2009/12/30
術士殺しが続いている、という噂だった。
ほとんどの術士はその正体もまた深い幻覚に包まれているために、一対一の術士同士の総力戦にでもならない限り、その生死が明らかになることは本来極めて稀なことなのだ。
だから、術士殺しが続いていると噂されるようなことは、おそろしく異様な事態であるはずだった。
「クロームは、嫌がるかな?」
クロームの身の安全と、彼らの心情、そのどちらも傷つけたくないのだと、憂える表情で綱吉が呟いた。
「嫌がるのか?」
山本は、不思議そうに首を傾げる。
出会ってしばらくは黒曜ランドで寝起きしていた三人だったが、いつの頃からか黒曜町の外れの小さな家に、三人で暮らすようになっていた。もっとも皆一日の大半は、相変わらず、黒曜ランドで過ごしているらしい、と聞き及んでいる。
山本武の思考の中では、クローム達三人もとっくに仲間として分類されているので、特に犬と千種の抱く複雑な想いと距離感は、斟酌されていない。
「あいつらがどう思うかは、この際問題じゃありません」
仮にもボンゴレ霧の守護者に、何かあっては困るのだ、と獄寺は主張する。
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「そいつ、知り合いッスか?」
「……獄寺君、本気?」
「おいおい、獄寺…」
二人は視線を交わして、蒼褪める。
そんな三人の様子に、苛立ちをあらわにした声が冷ややかにかけられた。
「君達、何群れてるの?」
「ヒバリさん!……それが、その」
「ヒバ…リ…?やっぱり、十代目のお知り合いで?」
「……」
獄寺の言葉に、雲雀の目がすっと細められる。
だが、それ以外に、何の感情もその顔からは読めなかった。
「おいおい、獄寺、何の冗談…」
「獄寺君、本当に分からないんだね?」
珍しく山本の台詞を遮るように、綱吉が静かに、だが毅然と問いかけた。
「……はい」
綱吉と山本の様子に何かがおかしい、と気付いた獄寺も警戒の表情で頷く。
「獄寺君、守護者を全員言ってみて」
「?俺が、嵐です。山本が雨。芝生頭が晴。あほ牛が嵐。あの骸の野郎っていうか、クロームが霧。……それで全員です」
雲雀の記憶だけを失う獄寺
いつもどおりの捏造未来マフィアで
いつもどおりにツナさんとかディーノさんとか出張って
ついでに骸&クロームの霧ペアも出張ってます