「天然金色」 2008/11/09
学校の校舎なんてものは、無彩色の代名詞のようなものだ。
灰色のコンクリートの壁。灰色の廊下。
白いシャツ。黒い学ラン。
そんな無彩色雲雀の世界に、入り込んできた天然色の、黄色・金色。
「恭弥も要るか?」
差し出されるのは、とろりとカットグラスの瓶の中で揺れる、金色の蜂蜜。
ディーノのパンケーキは、すっかり蜂蜜の海に溺れている。
「いらない」
見ているだけで胸がつまりそうだ、と雲雀は思う。
甘いのも、金色なのも。
「あなただけで手一杯だ」
甘い、甘い金色の液体。
その日、彼からは、ずっと蜂蜜の香りがする錯覚がしていた。
金色がテーマみたいな本です
エロらしいエロはありませんが、spmanteが不健全なのでR-18