四重奏 3






 ちいさな銀色仔猫は風呂で頭の先から尻尾の先までシャンプーでごしごし洗い立てられた。
 空腹と衰弱でほとんど意識がなかったのはある意味幸運かもしれなかった。軽くトラウマになれそうな入浴だった。


 あたたかなミルクを貰ってようやく少し意識がはっきりしたところで、ひょいと捕まれたかと思えば、ぺろりと尻尾の先端を舐められて、文字通り飛び上がった。
 ぶみゃーっ、と大変間の抜けた声が上がる。
「何?」
「な、な、」
 何するんだ、と吃驚して言葉にならない仔猫に。
「ああ、君は毛づくろいしてもらったことがないんだね」
 小さな仔猫を見下ろして、哀しむような瞳を見せたのは一瞬。
「じゃあ隅から隅までじっくり毛づくろいしてあげよう」
 それはそれは凶悪に楽しそうに雲雀は仔猫の尻尾を口にして。

 びみゃぁぁと哀れな絶叫がのどかな雨夜にこだました。






「本気で危害加える気ならあんなもんじゃないから安心しろ。……まあダメージは、それなりに、な」
 フォローのつもりらしい大きな銀色猫の言葉に。
「できるか、ボケっ!」
 仔猫は牙をむいた。
























SNSより再録


ひばにゃんに食われたも同然のはやみゃんに合掌