横隔膜の痙攣




 ひっく。
 聞き慣れない音がして、顔を上げた。

「……」
 何ともいえない不思議な顔をして、こちらを見返す雲雀と目があった。

「何?」
「え?」
「咬み、ひっく、殺すよ」
「………」
 言った雲雀も、さらに複雑そうな顔をして黙り込み。
 言われた獄寺も、絶句して、やっぱり黙り込んで。

 流れる沈黙を、ひっく、と不規則な発声が時々かき乱した。


 ひっく。
 聞いている方が気の毒になる、音。
 
 立ち上がる。
 ひっく。
 音に気付かぬふりで、獄寺はキッチンに向かい、水を一杯汲む。

「息、止めながら飲んだら、止まるから」
 そっけなく、そういって手渡したコップから、ゆっくりと雲雀が水を飲み、3分の2程飲んだところで噎せる。
「……っ、おい」
 コホコホと小さな咳が続いて。

 再びの沈黙。


 
 沈黙。
「てか、治ってないか?」

 獄寺が声をかけるまで。
 ずっと。


 雲雀は複雑そうな顔で押し黙っていた。

















SNSより再録




しゃっくりをするひばりさんは可愛いと思う。
それだけ。