「てのひらに触れたもの」




「……っ」
 
 息を詰める。
 下肢から這いあがる快感。
 追い詰められ、追い上げられる。

 失墜。
 一瞬の虚脱。
 
 無意識に伸ばした掌に、触れた彼の頬。
 濡れた感触。


 ああ、そうだね。
 それは、僕の体液だってことに、しておいてあげよう。




 今日ぐらいは。





除獣様主催のモエチャにて
書き散らかせていただいた短文ログ

微えろ