「おめでとう」
「へ?」
「君、誕生日でしょ」
獄寺は、己の耳を疑った。
あの、ヒバリが。
自分に向かって、誕生日おめでとう、だと?
「君が生まれてきてくれて本当に嬉しいよ」
ヒバリがひっそりと笑った。
彼の笑顔なんて、稀で。
だから、ここは現在進行形で恋する中学生男子としては、有頂天になって喜ぶべきところなんだろうに、その静かな笑顔に獄寺は地を這うどころか地下深く抉りとられるような悪い予感をひしひしと感じだ。
「ホント、君みたいに咬み殺しても咬み殺しても死なないしぶとい生き物は珍しいよね」
嬉しいよ、と。
ヒバリが続ける。
「君はあれだね、草食動物というより君とよく似た名前の、ご……」
「……っるせぇ!」
ヒバリがその単語を全部口にする前に、獄寺は、どかんと盛大にダイナマイトを空へとぶちまけた。
祝祭の花火よろしく、並盛の空に、爆音が弾ける。
それでも、やっぱり。
自分の誕生日にだって興味なさそうな、彼が。
自分の誕生日を憶えていてくれたことが、嬉しいのだ、と。
緩む頬を煙幕が遮ってくれるのは、せめてもの情けというものだ。
'07.09.09 p.m.04:27
そんなこんなで獄寺隼人お誕生日おめでとう
タバコ2本と桃のケーキで
お祝いしました
宣言どおりプレートもつけてもらったもんね
はやとくんお誕生日おめでとうって
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