後朝



 寝不足なんて珍しいことだった。

 些細な物音にも目覚めてしまう浅い眠りのせいで、逆にいつでもどこでもひとまずは眠っておく習慣ならある。
 けれど、基本みだりな夜更かしは風紀の乱れの原因だからと規則正しく早寝早起きな雲雀には、昨夜のように自らの意志で眠らぬことは慣れないことだった。


 要らないものを削ぎ落としたようにすっきりと体の芯の軽い感覚と、相反するように重い下肢。
 微かな高揚感が余韻のように気持ちのどこかに響いている。
 そして明白な疲労。

 不可解で。
 不快の方が勝るはずなのに。

 また、したい、と。



 次の逢瀬を望む気持ちが、確かにこの心の奥にあることを雲雀は気付いていた。


 





SNSより再録




絵チャ翌日の眠さを雲雀変換してみた