揺れる想い U 「ったく」
舌打ちに不釣り合いな甘ったるい声音。 ぐしゃぐしゃと腕の中に拘束した嵐猫の毛並みを見出せば、ふみゅ、と間抜けた声で抗議が上がる。 「……」 自分にはおそるおそる伸ばされるその手が、あの仔猫にはあんな風に触れるのだと考えるともなく思った。 「……っ!何しやがる!」 思いが形になるより早く、空気を切るトンファー。 たまには。 あんな風に。 自分のものみたいに触れてみろというものだ。 |
SNSより再録 たまには瓜みたく我が物顔で可愛がられてみたいらしい。 でも実際、はやとがそんな行動に出たら 瞬殺で咬み殺してるであろう、 そんな揺れる恋心なひばりさんはいかがか、と。 |