貸し借り





 最初の「貸し」は、黒曜ランド。
 繋ぐことなんてできるはずのない鳥を閉じ込めたコンクリートの檻を壊したのは、自分のダイナマイト。
 借りは返しておくよ、と立ち上がることがやっとだった自分に、貸されたその肩の細さと相反するような強さを、今も憶えている。


 勝手にうろついていた瓜を、連れ戻してくれた十年後の雲雀に、誓った。
 いつか、この借りは返す、と。

 借りて。
 返して。
 貸して。
 返されて。
 また、借りて。

 その、無限ループ。

 心配してるなんて言わない。
 護りたいなんて言わない。

 そんな、ありきたりの言葉じゃ表せない、絆が一つ。


 好きだなんて言わない。
 愛しているなんて言わない。
 
「貸しにしておくよ」
 
 それは。
 どんなプロポーズよりも。
 強い約束。
 

 借りて。
 返して。
 貸して。
 返されて。
 また、借りて。

 ずっと。


 一緒に。
 生きていけばいい。























今週号WJ(標的211)感想


いちおう日記で叫んではみたものの
やっぱりおさまらないので、SSにしてみました


ああもう何を言っていいのやら <まだ著しく興奮中