おそろい 「お。恭弥、そのまま動くなよ」 雲雀の肩に黄色い毛玉みたいなふわふわ丸っこい小鳥が止まったのに、ディーノが目を輝かせる。 いつの間にか応接室に我が物顔で出入りするようになった自称家庭教師を、雲雀は未だに実力で排斥できないでいる。 ディーノはその長くて力強い指を雲雀の肩に翼を休める小鳥へと伸ばした。 彼が何か持っていることに気付いた雲雀は、その手を叩き落とすより何をしようとしているのかを見守るように動きを止め、ディーノは少しばかり危なげな手つきで小鳥の頭上に優しい色合いの青みがかったグレーの小さな毛玉のようなようなものを乗せた。 それから何やら紐状のものをくるりと巻き付ける。 「帽子とマフラー?」 「ご明答」 にこ、と笑ったディーノは今度は持ってきていた小さな紙袋から小鳥に着せたのより同系色だがより深い色味の帽子とマフラーを取り出して、雲雀に被せた。 「ほら、おそろい」 ディーノか満足そうに頷くと同時に、肩の小鳥がぱたぱたと少し重そうに羽ばたいて、ヒバリ、オソロイ、ヒバリ、オソロイ、と繰り返し、まるで見せびらかすように何度か雲雀の前を往復して肩へと戻ってくる。 帽子につけられた白いぼんぼんが揺れるのが、ひどく愛らしい。 「気に入ってくれた?」 「みたいだね」 ディーノは雲雀の感想を求めたつもりだったか、雲雀の返答は小鳥の代弁で、けれどそんなところが雲雀らしいとディーノは愛しそうに目を細めた。 「じゃあ、あったかくしたところで、出かけるか」 それが当然のようにディーノは雲雀を誘い。 室内には相応しからぬニットのマフラーと帽子の柔らかな肌触りを検分するかのように少し首を傾げた雲雀は、 「いいよ」 とそっけなく頷いた。 「ありがとな、恭弥」 嬉しそうにディーノが笑う。 貰ってお礼を言うのは自分の方ではないかと雲雀は思ったけれど、笑うディーノがあまりに幸せそうなので、これでいいのかと思い直した。 |
今期アニメEDネタで くりこさんへの捧げもの あのおそろいが ひばりん本人の自発的な行動とは思えないので こういうことをさらりとしそうなのは やはりディノたんかなぁ、と思いました ディノたんは可愛いもん好きだといいな |