朝の情景  




 不意になんの前触れもなく空気が唸って風になり、獄寺はあたたかなベッドの中で不意に目を開けた。

 殺気。
 目の前には鈍く光る銀色。

「おはよう」
「……トンファーで起こすなっ!」
 物騒な目覚ましに開口一番文句をつければ。
「一生起きられなくさせてあげようか」
 ひややかな金属が喉に押しつけられた。
 殴られる前に目を覚ましただけでまだまし、だったのかも知れない。

 悪意とか敵意のまったく混じらない純粋な殺意というものを雲雀に出会って初めて獄寺は知った。
 いや正確にはもう一人、いる。敬愛してやまないボンゴレ十代目、沢田綱吉の家庭教師、イタリアマフィア中にその名を響かせる殺し屋リボーンもそうだ。リボーンが獄寺に向けるのはただ恐ろしく冷徹な観察者もしくは評価者のそれだ。獄寺隼人は十代目の右腕として相応しいか否や。思わず背筋のぴんと伸びてしまうような。
 が。雲雀のそれは全く違う。
 殺意の向こうに確かに存在する、それは。



「いつまで目を開けたまま寝てるの?君そんなに寝起き悪かった?」
 ぐ、とトンファーの先を喉を圧迫されて、獄寺はようやくベッドから身を起こす。
 すうっと雲雀の視線が獄寺から逸れた。
「今日は朝から校門前で風紀検査を行うよ。遅れたら…分かってるよね」
「おぅ」
 ベッドの下に散らばった服を拾い上げ、身につける。

 まだ、始業時間まではたっぷり時間がある。
 支度をして、いつもの時間に十代目をお迎えにあがって。
 多分きっと遅刻寸前になって。

 あぁ、忘れていた。
 ふと、気付いて。

 あとは学ランを羽織るだけに身支度を整えた相手に声をかける。
「おはよう、ヒバリ」


 そんな。
 珍しくもない、朝の風景。













買ってないけど、ひばりの目覚まし時計の台詞を見て
瞬間頭に浮かんだ場面


ひばりさんどういう状況下の台詞ですかそれは!と
ホント膝突き合わせ問い詰めたい

だっておはようって起こすほど朝イチに一緒にいるんですよ?
しかも相手並中生ですよ?
遅刻しそうな相手なんですよ?


おふぃしゃる万歳v