大雨洪水警報のテロップが、テレビの画面の上を流れていく。
 屋根を叩く雨の音が、また少し強くなったようだ。
 この雨なら、どんな太刀筋になるだろう、と山本は夢想する。
 しとしとと降り続く梅雨の雨というよりは、まるで熱帯雨林を通り過ぎる、激しいスコールのような雨。
 
 彼の剣なら、もっと激しく。
 身を切るように冷たい。


 不安定で。
 どこか自分を持て余しているような、今の自分には似つかわしいであろうその太刀筋を心に描いて。

 山本は、仮想の剣を、瞼の奥の彼へと振った。


















山スク

っぽい、らくがき




いつだって相手を想うことと剣がイコールみたいな二人が好きです