指 

 


「!?」
 掴んだその手は勢いよく、払われた。



 彼が人種そのものが違う生き物だとはっきりと認識したのは、銀色の髪よりも翠の目よりも、実は指の形だった。
 似て非なる、見たことのない形の指が、並中校歌を奏でることに、興味が湧いた。



 今日もひとしきり弾かせた後、もっとその指をよく見てみたくなって、その手を捕まえれば、何故か勢いよく振り払われて、むっとした。

 何が気に入らないというのか。
 真っ赤な顔で怒り出されるほどのことをした記憶はない。



 君は、本当に鈍いよ。
 僕は、こんなに君の指を気に入っているというのに。


















SNSより再録


もちろんはやとは怒った訳ではなくて、赤面しただけです
まだまだもどかしい感じの中学生