四重奏 11 夏が過ぎて秋になって、晴れた日中は相変わらず縁側の日向で丸くなって、まどろんでいる黒仔猫も夜になると新たなお気に入りを探してうろつくようになった。 「おや」 新しい黒仔猫のお気に入りは、ふわふわ銀色毛玉みたいな尻尾。 尻尾を抱き込まれた銀色仔猫も大人しくしているところを見ると、窮屈さにぬくさが勝ったらしい。 「ん?」 雲雀も傍らのふわふわ尻尾に手を伸ばした。 湯たんぽにするなら、あっちの小さいので事足りるけれど。 腕の中にすっぽり抱き込まれてあたたまるなら、大きい方がいいなんて思っているのは、誰にも内緒だ。 |
SNSより再録 |